街で拾った黒曜石に似た綺麗な石が、実は溶融スラグだった!という話を聞いたことはありませんか?
これは、溶融固化という中間処理の工程で生まれる石です。廃棄物が綺麗な石になるとは、不思議ですね。
溶融固化は、焼却よりも高度な処理方法として注目されています。そんな溶融固化とは?どのような処理なのでしょうか?メリットやデメリットについても分かりやすく説明していきます。
中間処理の「溶融固化」とは、ゴミや焼却灰を1200度以上の高温で溶かし、冷却して固める工程です。
溶融固化は、超高温で加熱するため、廃棄物はマグマのような液体になります。
そして、有機物は熱分解されてガス化するか、燃焼。
無機物は冷却するとガラス質・結晶質の石や砂に変化します。(時間をかけて冷ますと石、水に入れて急冷すると砂になる)
この石や砂は、溶融固化物又は溶融スラグと呼ばれます。
そして、溶融スラグは、一般廃棄物で作られたものを「一廃由来スラグ」、産業廃棄物又は産業廃棄物と一般廃棄物の混合物で作られたものを「産廃由来スラグ」としています。
溶融スラグは、道路用材・コンクリート骨材・土木資材として利用されています。
しかし、JIS(日本工業規格)により、道路・コンクリートについては「一廃由来スラグ」の利用に限定されています。(※JIS規格 JIS A 5031、JIS A 5032で制定)
溶融固化のメリットは、次のようなものが挙げられます。
溶融固化は基準を満たせば、中間処理の三原則である「安定化」「安全化」「減容化」すべてを実現できます。
しかし、溶融固化には以下のようなデメリットもあります。
溶融固化の事故では、溶融炉での水素ガス爆発や水蒸気爆発などが起きています。
問題となった灰溶融施設は休止となっていますが、ガス化溶融施設の建設は増えています。
溶融固化の溶融方式には2種類あります。
表面溶融炉、ガス改質式、シャフト式、キルン式など
電気抵抗式、プラズマ式、表面溶融式、コークヘッド式など
この中で、ガス化溶融では「ガス改質式」、灰溶融では「電気抵抗式」が多く採用されています。
溶融固化の装置は、プラズマ溶融固化システム・雑個体溶融炉・アスベスト溶融炉など、中間処理施設により様々です。
発泡スチロールは、専用の溶融機(電気ヒーター方式)で安全に溶融固化できます。
JIS規格外ということで、産業廃棄物の溶融スラグの流通と製品化はまだまだこれからですが、2011年からJIS規格の見直しが検討されています。
産廃由来の溶融スラグが、私たちの身近な建物や道路に活用される日も近いかもしれません。
溶融固化の技術は、中間処理の工程でなくてはならないものとして、将来的に活躍・進化していくことでしょう!
取り扱い メーカー数 |
21社 |
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メーカー種別 | 海外 |
製品の保守・サポートが強み。木更津に「パーツセンター」「QCセンター」「テストセンター」の機能を有した施設があり、パーツセンターでは7000種18万点のスペアパーツを保有。
取り扱い メーカー数 |
3社 |
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メーカー種別 | 国内・海外 |
日々環境分野において様々な研究開発を行い、1925年の創業から顧客のニーズを実現すべく品質向上に力を注いでいます。
取り扱い メーカー数 |
1社 |
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メーカー種別 | 国内 |
北九州にある本社を拠点に全国11ヶ所の工場を持ち、「スラグリサイクル事業」「環境非鉄リサイクル事業」「リサイクル機器プラント事業」に注力。
※2021年7月21日時点に、「選別機」または「産業廃棄 選別機」と「Google」で検索した際に表示された、中間処理に関する機器を取り扱っている企業の公式HPの上位57社を調査しました。
※取り扱いメーカー数及び対応種類の多い企業、かつ、プラント設計に対応している企業をピックアップしました。
循環型社会の実現に向け、廃棄物の削減に継続的に取り組むために、昨今の世情における産廃事業への取り組みについて掲載。
産廃事業社に求められる資質や姿勢など、事業において必要な見解をまとめています。