アルミとは「アルミニウム(Aluminum)」の略称で、元素表記は「Al」が用いられる非鉄金属です。
アルミは軽量で加工しやすい特徴から、いろいろな製品の原材料として活用され、1円玉やアルミホイル、アルミ缶、自動車や航空機の部品など様々な場面で使われています。そのため、アルミは身近に見られる代表的な非鉄金属素材の一つといえるでしょう。一方、アルミの原料であるボーキサイト鉱石の加工・製造工程は高度な技術を要するため、アルミが一般に利用され始めたのは19世紀後半に入ってからのことでした。
アルミの特徴として、まず注目されるのはその軽さです。
アルミは非常に軽い金属素材として知られており、例えば、アルミは鉄や銅に比べておよそ3分の1の重量です。そのためアルミは製品の軽量化を目的とした加工や設計などで幅広く利用されています。
アルミは軽量でありながら重量当たりの強度(比強度)が高く、適切に加工することで自動車や航空機といった乗り物の部品として使われたり、家を建てる際の建材として用いられます。
またアルミは空気中の酸素と反応し、酸化被膜を形成するため、錆の発生や腐食を防止します。
アルミは、非磁性の金属の為、磁場の影響を受けません。
軽量かつ高強度でありながら、磁気を帯びないため、磁力のある環境でもその影響を受けない金属素材として鉄の代わりなどに利用することができます。
アルミの特性として、導電性や熱伝導性に優れています。
比重が銅の3分の1のため、同じ重さの銅よりも2倍の電流を通すことができます。熱も伝わりやすいので、温まりやすく、急速に冷えやすいです。そのためアルミは電機製品の製造や電気機器の製造などの素材として利用される他、その特性を活かして冷暖房装置のパーツなどに用いられることもあります。
なお、アルミの融点は比較的低く、リサイクルに適している点も特徴です。
アルミは自然界に広く存在し、さまざまな食品や飲み物にも含まれています。通常、アルミを摂取しても腎臓などの体内機能により排出されるため、日常生活でアルミの毒性を心配する必要はありません。そのため、アルミは安全な素材とされ、食品や飲料缶、医薬品の包装などに幅広く活用されています。
アルミは金属光沢のある素材であり、研磨などによって適切に加工されたアルミは鏡のように光を反射することも特徴です。そのためアルミを使って反射板などを製作することもできます。
その反面、光を反射しやすいのでレーザー加工のような金属加工へ用いる際には注意しなければなりません。
素地の状態でも美しい素材ですが、アルマイト処理などの表面処理を施すことで、さらに美しい見た目にすることができます。加えて、電解着色によって多彩な色を付けることも可能なため、デザイン性が高く、建築外装や包装材など、多様な用途で使用されています。
アルミは、塑性加工がしやすくさまざまな形に成形することが可能です。金属でありながら紙のように薄く伸ばせたり、複雑な形状の押出形材を製造することもでき、幅広い用途に用いられています。また切削加工性にも優れており、溶接も可能です。
アルミがリサイクルに向いている理由としては、大きく以下の2つの理由があります。
アルミはボーキサイトという鉱石を原料にして製造されます。そしてボーキサイトから製造する場合、電気分解による成分の分離が必要になりますが、この電気分解へ大量のエネルギーを用いなければなりません。
しかし、一度アルミとして製造された状態であれば、新たにアルミを製造するよりも少ないエネルギーで製造が可能です。(※)またアルミ自体の融点は低くく、熱で溶かして再成形しやすいこともリサイクルに向いている理由です。
アルミ缶のリサイクル活動を推進して循環型社会・持続可能社会の実現を目指しているアルミ缶リサイクル協会によれば、2023年度の日本国内における飲料用アルミ缶需要量は210億缶(314,645トン)であったのに対して、その内の約97.5%に当たる306,742トンはアルミ缶を含めた様々なアルミ製品の再生利用によってまかなわれました。
なお、アルミ缶のリサイクルによって1本あたり約0.1kgのCO2削減にもつながるとされており、サステナブルな社会の実現を目指して官民一体となって積極的なアルミのリサイクルが推奨されています。
アルミのリサイクル工程は大きく分けて以下の4段階で考えることができます。
まず一般的に行われるアルミの回収方法として、アルミ缶とスチール缶の分別といった個々人で行える取り組みが挙げられます。特に缶入り飲料や缶詰製品ではアルミが多く使われており、ゴミに出す場合もきちんとアルミを分別する意識が大切です。
家庭用ゴミや産業廃棄物などとして収集されたアルミは、改めて処理施設で選別され、他の物質を除去してアルミだけが回収されます。なお鉄や他の物質が混じっている中からアルミだけを選別する方法としては磁気選別や比重選別などが利用されています。
回収されたアルミ缶やアルミ部品はアルミニウム工場へ持ち込まれ、加熱・溶解された後、再加工に適した地金(再生地金)として形成されるという流れです。
アルミの再生地金は、アルミ素材として再びそれぞれの目的に応じて形成・加工され、日常の様々な場面で利用されていくことになります。
磁気選別とは、磁力の作用によってアルミを選別する方法です。
本来はアルミは非磁性のため、磁石を近づけても磁力の影響を受けません。しかし、急速に近づく磁石には反発し、磁石が離れると追いかける性質があります。これを利用して、急速に回転する磁石にアルミを近づけることで、アルミが反発して飛び出した落下場所の違いにより、アルミを選別します。
アルミは軽量な金属であり、銅や亜鉛といった金属と比べても比重が小さくなっています。そのため鉄粉を流動させた流動層などを選別媒体として活用し、その中へアルミなどの混合物を流すと、比重の重い金属は沈み、軽いアルミが浮くため、アルミを回収することができます。
取り扱い メーカー数 |
21社 |
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メーカー種別 | 海外 |
製品の保守・サポートが強み。木更津に「パーツセンター」「QCセンター」「テストセンター」の機能を有した施設があり、パーツセンターでは7000種18万点のスペアパーツを保有。
取り扱い メーカー数 |
3社 |
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メーカー種別 | 国内・海外 |
日々環境分野において様々な研究開発を行い、1925年の創業から顧客のニーズを実現すべく品質向上に力を注いでいます。
取り扱い メーカー数 |
1社 |
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メーカー種別 | 国内 |
北九州にある本社を拠点に全国11ヶ所の工場を持ち、「スラグリサイクル事業」「環境非鉄リサイクル事業」「リサイクル機器プラント事業」に注力。
※2021年7月21日時点に、「選別機」または「産業廃棄 選別機」と「Google」で検索した際に表示された、中間処理に関する機器を取り扱っている企業の公式HPの上位57社を調査しました。
※取り扱いメーカー数及び対応種類の多い企業、かつ、プラント設計に対応している企業をピックアップしました。
循環型社会の実現に向け、廃棄物の削減に継続的に取り組むために、昨今の世情における産廃事業への取り組みについて掲載。
産廃事業社に求められる資質や姿勢など、事業において必要な見解をまとめています。