サーマルリサイクルとは？

こちらのページでは、「サーマルリサイクル」について紹介しています。どのような方法なのか、またその種類や課題などについてまとめました。

サーマルリサイクルとは？

廃棄物の焼却の際に発生する熱エネルギーを回収して利用する方法を「サーマルリサイクル」と呼んでいます。自治体によってごみの分別方法は異なりますが、その中にはリサイクルや分別が難しいものもあります。このようなゴミは燃やすことによって熱エネルギーを回収し「リサイクルを行った」とみなしています。

このような形で出た熱エネルギーは、温水プールや発電に活用されています。

サーマルリサイクルの種類

サーマルリサイクルは「火格子焼却炉」「流動床焼却炉」「ガス化溶融炉」にて行われます。それぞれの流れについて見てみましょう。

火格子焼却炉

乾燥・燃焼・後燃焼の3つの段階に分けて廃棄物の焼却を行います。その工程で出た排ガスを再利用します。

流動床焼却炉

加熱した壺のような機械に廃棄物を入れて焼却を行います。この機械には熱した砂と空気が継続して送り込まれていますので、投入した杯プラスチックの加熱を続けることができます。

ガス化溶融炉

廃棄物を加熱することによってガス化し、その際に発生する熱や炭化物を再利用します。まず、熱い砂と空気が入った焼却炉で処理を行い、その後、加熱性ガスチャーで運ばれ排ガスとスラグに分解されます。

サーマルリサイクルの課題

日本では、廃プラスチックの有効利用率は比較的高いとされていますが、その多くはサーマルリサイクルが占めています。

しかし、海外の国の多くはサーマルリサイクルを「リサイクル」として認めていません。これは、サーマルリサイクルを行う上では廃棄物を燃焼させる必要があること、さらに生成されたものを製品の原料として用いることができないため。このことから、海外から見ると現状の日本のリサイクル環境が評価されることは難しいと考えられます。

また、廃棄物を焼却することにより、有害物質であるダイオキシンが発生してしまう問題も指摘されています。高温で焼却を行うことから、ある程度はダイオキシンの発生を抑えられてはいるものの、完全に防げるわけではないといわれています。そのほかにも、水銀や燃焼後の灰など強い毒性を持つ物質が生成されてしまう点が課題として挙げられています。

サーマルリサイクルについてのまとめ

• 廃棄物を焼却する際に発生する熱を再利用することを「サーマルリサイクル」と呼ぶ
• 燃焼時に発生するエネルギーは温水プールや発電などに活用される
• サーマルリサイクルには課題もある

こちらのページでは、サーマルリサイクルの概要や種類、課題について紹介してきました。完全に分別できなかった廃棄物を利用できる点はサーマルリサイクルのメリットといえる反面、課題も挙げられています。そもそも使用する資源を減らすこと、さらに分別についてもしっかりと心がけることも大切であるといえるでしょう。