ポリプロピレン(Polypropylene)は石油を原料とした合成樹脂であり、プラスチックの1種として幅広く活用されている素材です。なお、製品表示では「PP」として略されて表記されていることもあります。
複数の「プロピレン(CH2=CH-CH3)」によって構成されるポリプロピレンは、1954年に開発されて以来、プラスチック原料として急速に普及し、現在でも様々な日用品や工業製品の製造に利用されているのが特徴です。そのため、ポリプロピレンはポリエチレンなどと合わせて「4大汎用プラスチック」と呼ばれています。
ポリプロピレンの特徴として、水よりも比重が小さく、その比重は「0.9~0.91」です。水に浮く性質を求める際にはポリプロピレンのような特性を持つプラスチック原料が適しています。
そのため、ポリプロピレンは塩化ビニルと組み合わせて浮き輪の一部に利用されたりします。
ポリプロピレンはプラスチックの中でも比較的高温に耐性を備えており、耐熱性を求められる場合に利用されます。そのため、例えば食品を保存する容器として電子レンジでの使用を前提としている場合、本体部分に耐熱性に優れたポリプロピレンを活用し、柔らかい素材が求められるフタの部分にポリエチレンを使用するなど、使い分けが工夫されています。
ただし、耐熱性に優れているといってもプラスチック素材としての範囲であり、ポリプロピレンの耐熱温度はおよそ「100~140度」です。なお、ポリプロピレンが溶解する融点はおよそ「160度」です。
ポリプロピレンは耐熱性に優れているだけでなく、機械的強度が高く、物理的な変形などに強い点も挙げられます。
丈夫な素材として知られているため、食品容器や自動車の内装、医療器具など、変形や破損によって品質が低下しては困る製品や部品に広く利用されています。
ポリプロピレンは射出成形や押出成形、ブロー成形など色々な成型方法に適性があり、加工しやすいことも特徴です。
加工性に優れたポリプロピレンは様々な形状や用途で使われるため、製品としての活用幅が広く、身の回りの品から特殊な機器や製品まで多種多様な分野で有用性を認められています。
高温や物理的な力に強いポリプロピレンですが、一方で紫外線に弱い特性があることもポイントです。そのため日常的に太陽光へ接しているような環境でポリプロピレンを使い続けると、やがて紫外線によって劣化してしまうことに注意しなければなりません。
耐熱性に優れているポリプロピレンですが、低温下では素材強度が低下しやすいといったデメリットもあります。
ホモポリマーとは、ポリプロピレンの原料であるプロピレン単体だけで構成された素材です。
ホモポリマーは比較的安価で加工性に優れているため、様々な日用品に使用されています。
ランダムコポリマーはプロピレンと、ポリエチレンで使用されているエチレンの2種類で構成されている素材です。ランダムコポリマーはホモポリマーより透明性が高く、柔らかい特徴を持っています。
ホモポリマーに、ポリエチレンとエチレンポリプロピレンゴム(EPR)のゴム層でカバーしたポリエチレン粉を組み合わせて作られている素材です。
ERP紛が素材強度を高めており、ホモポリマーの耐久性や耐衝撃性、耐寒性などを向上させています。
ポリエチレン(PE)とはプラスチックの1種であり、水素と炭素が結合した「エチレン」が複数つながって構成している素材です。ポリエチレンはコストパフォーマンスに優れたプラスチック素材として世界中で使われており、生産量が多いプラスチックです。またポリプロピレンよりも柔らかい特徴を持っています。
単純な構造のポリエチレンは生産しやすく加工性に優れ、さらに耐候性や耐薬品性に優れているため、買い物袋や水道管、ボトル容器など色々な製品に使われています。
ポリプロピレンは耐熱性に強く丈夫な性質をもっており、食品を保存したり、電子レンジで温めたりするための容器に使用されています。ただし、ポリプロピレンは変形しにくいため、開け閉めの際に柔軟性が求められる容器のフタについてはポリエチレンが使用されるといった違いもポイントです。
ホモポリマーのポリプロピレンは低温環境で耐久性が低下しますが、ブロックコポリマーとして耐寒性などを強化されているポリプロピレンは低温下でも使用しやすく、冷凍庫などで使う製氷トレーなどに利用されています。
耐久性が高くて加工性にも優れているポリプロピレンは、自動車の内装パーツなど色々な形状と丈夫さが求められる部分に使われます。
摩耗しにくく変形しにくいポリプロピレンは、品質の安定性が求められる医療器具やその構成パーツに使われることもポイントです。
書類用のファイルやボトル容器、袋、繊維など日常の様々な場面でポリプロピレンは有用です。
一般社団法人プラスチック循環利用協会が発行している資料に寄れば、日本国内における2022年度の廃プラ総排出量は「825t」であり、その内の197万t(23.9%)がポリプロピレンとなっています。これは全体の34.9%を占めるポリエチレンに次いで2番目の量であり、また全体3位のポリスチレン類(11.7%)と比較して2倍以上の差があります。
産業廃棄物などの中間処理施設において、ポリプロピレンのようなプラスチック材質の選別システムに「光学式選別」が利用されています。
光学式選別では近赤外線によって対象の波長を解析し、素材を特定、ポリプロピレンなどのプラスチック素材といった対象物に該当するものをエアノズルで吹き飛ばして選別します。
プラスチックの中でもポリプロピレンは比重が軽く、水に浮く点が特徴です。そのため、比重の軽さを利用して水の中に投入し、軽量なプラスチックを浮揚させて選別ができます。
なお、選別媒体として水でなく流動性のある珪砂を使用する比重選別もあります。
選別されたポリプロピレンのリサイクル方法としては、大きく「マテリアルリサイクル」と「ケミカルリサイクル」の2つが存在しており、それぞれの特性を踏まえて各用途へ適合されることが特徴です。
マテリアルリサイクルの場合、廃棄されたポリプロピレンを選別してペレットやフレークとして加工した上で、新しいプラスチック製品を作るための材料として再利用します。
一方のケミカルリサイクルは、選別されたポリプロピレンを化学的に分解することで、加工前の原料やモノマーの状態に復元させることがポイントです。
素材としての再活用という意味でなく、選別したポリプロピレンを燃料として使用し、熱エネルギーを別の用途へ役立てるサーマルリサイクルといった第3の使い道もあります。
取り扱い メーカー数 |
21社 |
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メーカー種別 | 海外 |
製品の保守・サポートが強み。木更津に「パーツセンター」「QCセンター」「テストセンター」の機能を有した施設があり、パーツセンターでは7000種18万点のスペアパーツを保有。
取り扱い メーカー数 |
3社 |
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メーカー種別 | 国内・海外 |
日々環境分野において様々な研究開発を行い、1925年の創業から顧客のニーズを実現すべく品質向上に力を注いでいます。
取り扱い メーカー数 |
1社 |
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メーカー種別 | 国内 |
北九州にある本社を拠点に全国11ヶ所の工場を持ち、「スラグリサイクル事業」「環境非鉄リサイクル事業」「リサイクル機器プラント事業」に注力。
※2021年7月21日時点に、「選別機」または「産業廃棄 選別機」と「Google」で検索した際に表示された、中間処理に関する機器を取り扱っている企業の公式HPの上位57社を調査しました。
※取り扱いメーカー数及び対応種類の多い企業、かつ、プラント設計に対応している企業をピックアップしました。
循環型社会の実現に向け、廃棄物の削減に継続的に取り組むために、昨今の世情における産廃事業への取り組みについて掲載。
産廃事業社に求められる資質や姿勢など、事業において必要な見解をまとめています。