産廃処理業とは

事業活動を行えば、必ず発生してしまう産業廃棄物。近年、産業廃棄物の不法投棄や盛り土などの問題がクローズアップされています。

災害が多い日本では、不適切に処分された産業廃棄物が災害の引き金となる場合もあります。

産廃処理は、法や基準に従い産業廃棄物を処分しなければなりません。

産廃処理を委託される産廃処理業は、一つではなく、いくつかに分類されています。では、その仕組みはどうなっているのか、どのような業務なのかを見ていきましょう。

産廃処理業の分類について

産廃処理業(産業廃棄物処理業)とは、産業廃棄物を排出する業者から委託されて、収集・運搬を行う「産業廃棄物収集運搬業」と処分を行う「産業廃棄物処分業」に分類されます。

さらに細かく分けると次のようになります。

産業廃棄物収集運搬業」

• 収集運搬
• 積替保管

産業廃棄物処分業

• 中間処理
• 最終処分(安定型・管理型・遮断型)

産業廃棄物の処理業を行うには、許可が必要です。

産廃処理の流れとは？

事業活動に伴った産業廃棄物は、自ら搬入・処分できない場合、産業廃棄物収集運搬業者に委託して、中間処理施設まで運んでもらい処分(もしくはリサイクル)する流れとなります。

※事業者は、産業廃棄物収集運搬業者の許可の有無を確認しておかなくてはいけません。委託基準違反となれば、※罰則(３年以下の懲役３００万円以下の罰金又はこれらの併科)を受けることになります。

収集運搬された産業廃棄物は、産業廃棄物処分業の中間処理で、再利用・リサイクルしやすい状態に変化させます。

廃棄物を変化させる方法は、次のようなものがあります。

• 減容化→切断(切る)、破砕(砕く)、圧縮(潰す)など物理的に大きさを小さく変える
• 減量化→焼却(燃やす)、脱水(水分を含む汚泥の脱水)などで量を少なく変える
• 無害化→改質固化(質を変えて固める)、溶融固化(熱で溶かして固める)など化学エネルギーで廃棄物そのものを無害な物質に変える
• 安定化→中和(化学反応でアルカリなどを中和する)

上記の方法で処理された産業廃棄物は、最終処分として再利用されるものと埋立、海洋投入に分けられます。

海洋投入は、現在ではほとんど行われていません。埋立処分の行き先は、最終処分場となります。

産廃処理の最終処分場について

最終処分場は、3種類あります。

1. 安定型…有害物質が溶けたり、腐ったりする心配がないものを埋立処分するため造られた埋立地(品目：がれき類、ガラスくず、廃プラスチック類、ゴムくず、金属くずの5種類)
2. 遮断型…基準値をクリアできない有害物質を含むものを埋立処分する施設。コンクリートプールのような周囲から遮断された構造になっている(品目：汚泥、ばいじん、鉱さいなど)
3. 管理型…安定型で処分できないもの、遮断型でしか処分できないものを埋立処分する施設。遮水シートや水処理を行える構造になっている(品目：汚泥、燃えがら、環境汚染する可能性がある廃棄物など)

最終処分場は、産業廃棄物の最終処分が、環境に影響を及ぼさないようにそれぞれの廃棄物に対応しています。

産廃処理業とは？まとめ

産廃処理業の分類や最終処分までの流れをまとめました。

実際には、それぞれ許可や申請が必要で、仕組みは複雑です。

そして、事業者は、産業廃棄物を引き渡したら終わりというわけではありません。

事業者は

• 「産業廃棄物収集運搬業者がきちんと運搬しているのか」
• 「中間処理が実際に行われているか？」
• 「無事、最終処分が終了したかどうか？」

ということを確認しなければなりません。

産廃処理業が適切に行われることは、人が安全に暮らせる地球環境を守る重要事項です。